【過去作品】『明けない夜―犯罪行動心理等分析室捜査ファイル―』⑨(最終回)

 こんにちは。井桁です。
 年の瀬に失礼します。ついにエピローグ! 本当の最終回です。

9.『ジャロウ・レポート』

1. 概要
 本レポートは、近頃日本国内においてマルチレベルマーケティング(MLM、ネットワークビジネス、NBなども含む)等の過度な勧誘、またスピリチュアルや無資格のカウンセラーによるオンラインサロンビジネスや公開カウンセリングが横行し始めていることを念頭に、そういった勧誘や集会等に参加している人々の実態と今後の危険性について報告するものである。
 マルチレベルマーケティングとしては、生活用品やサプリメント、調理器具等を購入者にその良さを信じ込ませるものとして「Samway」が挙げられる。その他に、アロマオイルの効能を過度に信じた勧誘者が、主に無資格あるいは十分な教育を受けていないにも関わらずアロマセラピストを名乗り、アロマオイルやそれらに興味を持つ人々を対象に無料もしくは有料のセミナーを開催し自らの顧客を増やし権利収入等を得るものとして「With Terra」や「Young Life」等の複数の企業が挙げられる。
 オンラインサロンビジネスまた公開カウンセリングにおいては、その主体は多岐にわたる。特徴としては、①人々の不安を煽り、その改善のために自らの知名度とスキルを利用し、不適切な対応策、思考等を対象に信じ込ませる②人々が日常生活を送る上で抱える不満や不安、悩み等について過度な解決策や思想等を提示しそれを対象に信じ込ませることが大きな分類として挙げられる。
 これらについては以下で詳細に記述するが、日本国内におけるSNSの浸透に伴い、ある情報が一種の一般常識になることが多く見受けられる。それによって引き起こされる貧困思考、非成功思考、不労高収入者(高収入フリーランス、権利収入者等)への羨望等を多くの人々が払拭したいために、物事を単純かつ即時的に解決策をその正誤を問わずに求める傾向にあることが、大きな要因として挙げられる。そのような人々と自己承認欲求を満たすために単純かつ即時的で急進的な解決策を発信する人々が、SNS上(特にFacebookやInstagram)で交流また接触する事例が多くなっている。
 本レポートで取り上げる団体において一部ではあるが、過激な思想を持ちまたそれに基づいた行動が目立ってきており、このことが今後の日本国内の治安維持に影響を及ぼす可能性が非常に高いことが否定出来ない。
 今回の連続殺人事件(令和元年第一三二号事件)の原因の一つであること、また過去に日本国内において発生した新興宗教による一連のテロ事件も鑑み、日本国内における今後における治安維持のためには、今後の彼らの動向に注視するとともに必要に応じて適切な手段を講じる必要があると考えられる。
 具体的には、警視庁IT分析課によるインターネット上の投稿の監視や同公安部によるオンラインサロンビジネスまた公開カウンセリングなどの会場における監視などが必要であると考えられ、また同公安部にはこれらの危険性評価と危険性管理も求められると考えられる。
 同時に政府の対応として、右記の行動を保証する法制度の確立や……


 これにて『明けない夜―犯罪行動心理等分析室捜査ファイル―』は完結です。
 読んでくださった方々ありがとうございました。

 執筆の裏話的な話をちょっとすると、社会人になってからプライベートでいろんな人と会うことがありました。
 大学からの友人達はみないい人ばかりで本当に感謝感謝なのですが、一方で友人と思っていた方が向こうはそう思っていなかったり、うん十年ぶりに連絡がきたと思ったら変な話の勧誘だったり、ちょっと出会いを求めてみればカモにされかけたりとやっぱ人間って怖いなあと思うことが立て続けにありました。
 もちろん大多数の方々は善良な方々だとは思うのですが、その善良さにつけ込んでくる人もいるわけで、新しい人との付き合いは難しいなと社会人八年目を目前にしてもまだ思っております。
 この小説を書く動機となったのは、そういった善良さにつけ込まれた人を中心に書いてみたいと思ったことでした(そこそこ暴走してしまいましたが…)。
 この小説を読んでくださった方が、アレ?? と思うきっかけのきっかけのきっかけくらいになっていれば幸いです。
 みなさまが変な人や話に引っかかることがないよう心からお祈りいたします。
 今後ともメゾン文芸部と井桁と他のメンバーもよろしくお願いいたします!! よいお年をお迎えください。

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